持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 宣言

宣言

導入部

1.我々、国家元首、政府の長その他の代表は、国連が 70 周年を迎えるにあたり、2015 年9 月 25 日から 27 日までニューヨークの国連本部で会合し、今日、新たな地球規模の持続可能な開発目標を決定した。

2.(総論)我々の国民に代わり、我々は、包括的、遠大かつ人間中心な一連の普遍的かつ変革的な目標とターゲットにつき、歴史的な決定を行った。我々は、このアジェンダを 2030年までに完全に実施するために休みなく取り組むことにコミットする。我々は、極端な貧困を含む、あらゆる形態と様相の貧困を撲滅することが最も大きな地球規模の課題であり、持続可能な開発のための不可欠な必要条件であると認識する。我々は、持続可能な開発を、経済、社会及び環境というその三つの側面において、バランスがとれ統合された形で達成することにコミットしている。我々はまた、ミレニアム開発目標の達成を基にして、その未完の課題に取り組むことを追求する。

3.(取り組むべき課題)我々は、2030 年までに以下のことを行うことを決意する。あらゆる貧困と飢餓に終止符を打つこと。国内的・国際的な不平等と戦うこと。平和で、公正かつ包摂的な社会をうち立てること。人権を保護しジェンダー平等と女性・女児の能力強化を進めること。地球と天然資源の永続的な保護を確保すること。そしてまた、我々は、持続可能で、包摂的で持続的な経済成長、共有された繁栄及び働きがいのある人間らしい仕事のための条件を、各国の発展段階の違い及び能力の違いを考慮に入れた上で、作り出すことを決意する。

4.(誰一人取り残さない)この偉大な共同の旅に乗り出すにあたり、我々は誰も取り残されないことを誓う。人々の尊厳は基本的なものであるとの認識の下に、目標とターゲットがすべての国、すべての人々及び社会のすべての部分で満たされることを望む。そして我々は、最も遅れているところに第一に手を伸ばすべく努力する。

5.(新アジェンダの特徴)このアジェンダは前例のない範囲と重要性を持つものである。このアジェンダは、各国の現実、能力及び発展段階の違いを考慮に入れ、かつ各国の政策及び優先度を尊重しつつ、すべての国に受け入れられ、すべての国に適用されるものである。これらは、先進国、開発途上国も同様に含む世界全体の普遍的な目標とターゲットである。これらは、統合され不可分のものであり、持続可能な開発の三側面をバランスする
ものである。

6.(これまでの経緯)最も貧しく最も脆弱なところからの声に特別な注意を払いながら市民社会及びその他のステークホルダーとの間で行われた 2 年以上にわたる公開のコンサルテーション及び関与の結果、この目標とターゲットができた。このコンサルテーションは、持続可能な開発に関する公開作業部会及び国連による重要な作業を含むものであり、事務総長は 2014 年 12 月に統合報告書を提出している。

我々のビジョン

7.(目指すべき世界像)これらの目標とターゲットにおいて、我々は最高に野心的かつ変革的なビジョンを設定している。我々は、すべての人生が栄える、貧困、飢餓、病気及び欠乏から自由な世界を思い描く。我々は、恐怖と暴力から自由な世界を思い描く。すべての人が読み書きできる世界。すべてのレベルにおいて質の高い教育、保健医療及び社会保護に公平かつ普遍的にアクセスできる世界。身体的、精神的、社会的福祉が保障される世界。安全な飲料水と衛生に関する人権を再確認し、衛生状態が改善している世界。十分で、安全で、購入可能、また、栄養のある食料がある世界。住居が安全、強靱(レジリエント)かつ持続可能である世界。そして安価な、信頼でき、持続可能なエネルギーに誰もがアクセスできる世界。

8.(目指すべき世界像)我々は、人権、人の尊厳、法の支配、正義、平等及び差別のないことに対して普遍的な尊重がなされる世界を思い描く。人種、民族及び文化的多様性に対して尊重がなされる世界。人間の潜在力を完全に実現し、繁栄を共有することに資することができる平等な機会が与えられる世界。子供たちに投資し、すべての子供が暴力及び搾取から解放される世界。すべての女性と女児が完全なジェンダー平等を享受し、その能力強化を阻む法的、社会的、経済的な障害が取り除かれる世界。そして、最も脆弱な人々のニーズが満たされる、公正で、衡平で、寛容で、開かれており、社会的に包摂的な世界。

9.(目指すべき世界像)我々は、すべての国が持続的で、包摂的で、持続可能な経済成長と 働きがいのある人間らしい仕事を享受できる世界を思い描く。消費と生産パターン、そして空気、土地、河川、湖、帯水層、海洋といったすべての天然資源の利用が持続可能である世界。民主主義、グッド・ガバナンス、法の支配、そしてまたそれらを可能にする国内・国際環境が、持続的で包摂的な経済成長、社会開発、環境保護及び貧困・飢餓撲滅を含めた、持続可能な開発にとってきわめて重要である世界。技術開発とその応用が気候変動に配慮しており、生物多様性を尊重し、強靱(レジリエント)なものである世界。人類が自然と調和し、野生動植物その他の種が保護される世界。

我々の共有する原則と約束

10.(主要原則)新アジェンダは、国際法の尊重を含め、国連憲章の目的と原則によって導かれる。世界人権宣言、国際人権諸条約、ミレニアム宣言及び 2005 年サミット成果文書にも基礎を置く。また、「発展の権利に関する宣言」などその他の合意も参照される。

11.(関連する主要国連会議)我々は、持続可能な開発のための確固たる基礎を築き、この新アジェンダを形作るのを助けたすべての主要な国連会議及びサミットの成果を再確認する。これらは、「環境と開発に関するリオ宣言」、「持続可能な開発に関する世界首脳会議」、「世界社会開発サミット」、「国際人口・開発会議(ICPD)行動計画」、「北京行動綱領」(第4回世界女性会議)、「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」を含む。我々はまた、「第 4回後発開発途上国(LDCs)会議」、「第 3 回小島嶼開発途上国(SIDS)会議」、「第 2 回内陸開発途上国(LLDCs)会議」及び「第 3 回国連防災世界会議」を含め、これらの会議のフォローアップを再確認する。

12.(共通だが差異のある責任)我々は、「環境と開発に関するリオ宣言」のすべての原則、とりわけ、その第 7 原則にあるように共通だが差異ある責任の原則を再確認する。

13.(統合されたアプローチの重要性)これらの主要な会議及びサミットの課題並びにコミットメントは、相互に関連しており、統合された解決が必要である。これらに効果的に対処するために、新たなアプローチが必要である。持続可能な開発が意味するところでは、すべての形態及び側面の貧困撲滅、国内的・国際的不平等との戦い、地球の維持、持続的・包摂的・持続可能な経済成長を作り出すこと、並びに社会的包摂性を生み出すことは、お互いに関連し合っており、相互に依存している。

今日の世界

14.(直面する課題)我々は、持続可能な開発に対する大きな課題に直面している。依然として数十億人の人々が貧困のうちに生活し、尊厳のある生活を送れずにいる。国内的、国際的な不平等は増加している。機会、富及び権力の不均衡は甚だしい。ジェンダー平等は依然として鍵となる課題である。失業、とりわけ若年層の失業は主たる懸念である。地球規模の健康の脅威、より頻繁かつ甚大な自然災害、悪化する紛争、暴力的過激主義、テロリズムと関連する人道危機及び人々の強制的な移動は、過去数十年の開発の進展の多くを後戻りさせる恐れがある。天然資源の減少並びに、砂漠化、干ばつ、土壌悪化、淡水の欠乏及び生物多様性の喪失を含む環境の悪化による影響は、人類が直面する課題を増加し、悪化させる。我々の時代において、気候変動は最大の課題の一つであり、すべての国の持続可能な開発を達成するための能力に悪影響を及ぼす。世界的な気温の上昇、海面上昇、海洋の酸性化及びその他の気候変動の結果は、多くの後発開発途上国、小島嶼開発途上国を含む沿岸地帯及び低地帯の国々に深刻な影響を与えている。多くの国の存続と地球の生物維持システムが存続の危機に瀕している。

15.(チャンス)しかしながら、大きな機会の時でもある。多くの開発の課題に対応するために重要な進展があった。過去の世代において、数百万人の人が極度の貧困から脱した。教育へのアクセスは少年少女いずれに対しても大きく増加した。ICT と地球規模の接続性は人間の進歩を加速化させ、デジタルデバイドを埋め、知識社会を発展させる大きな潜在力があり、医学やエネルギーのように多様な幅広い分野において科学技術イノベーションが持つ潜在力もまた同様である。

16.(MDGs で残された課題への対応)およそ 15 年前、ミレニアム開発目標(MDGs)が合意された。これらは、開発のための重要な枠組みを与え、多くの分野で重要な進展が見られた。しかしながら、進展にはばらつきがあり、それはアフリカ、後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国で特にそうである。いくつかの目標、特に母子保健及び性と生殖に関する健康の目標は依然として達成に向けての軌道に乗っていない。我々は、このような外れた目標を含めて、すべての MDGsの完全な達成に向けて、とりわけ後発開発途上国など重視すべき国に対して焦点をあてて拡大した支援を、適切な支援プログラムに沿って供与することを再度約束する。新アジェンダはミレニアム開発目標を基礎として、ミレニアム開発目標が達成できなかったもの、とりわけ最も脆弱な部分に取り組むことにより、これを完遂することを目指す。

17.(MDGs を超える課題への対応)我々が今日発表する枠組みは、そのスコープにおいてミレニアム開発目標を遙かに越えるものである。貧困撲滅、保健、教育及び食料安全保障と栄養といった継続的な開発分野の優先項目に加えて、この枠組みは、幅広い経済・社会・環境の目的を提示している。また、より平和かつ包摂的な社会も約束している。さらに重要なことは、実施手段も提示している。我々が決定した統合的なアプローチを反映して、新たな目標とターゲットには、深い相互関連性とクロスカッティングな要素がある。

新アジェンダ

18.(総論)本日、我々が発表する 17 の持続可能な開発目標と 169 の関連づけられたターゲットは、統合され不可分のものである。このような広範でユニバーサルな政策目標について、世界の指導者が共通の行動と努力を表明したことは未だかつてなかった。持続可能な開発に向けた道を進むにあたって、すべての国や地域に進展をもたらすウィン・ウィンの協力と地球規模の開発のために我々が一つとなって身を費やすことを決めた。すべての国はその固有の財産、自然資源及び経済活動に対して恒久の主権を有しており、またその権利を自由に行使することを確認する。我々は現在及び将来の世代の益のためのこのアジェンダを実施する。そのために、我々は国際法に対するコミットメントを確認するとともに、新たな開発目標は、国際法の下での権利と義務に整合する形で実施することを確認する。

19.(人権)我々は、世界人権宣言及びその他の人権に関する国際文書並びに国際法の重要性を確認する。我々は、すべての国が国連憲章に則り、人種、肌の色、性別、言語、宗教、政治若しくは信条、国籍若しくは社会的出自、貧富、出生、障害等の違いに関係なく、すべての人の人権と基本的な自由の尊重、保護及び促進責任を有することを強調する。

20.(ジェンダー)ジェンダー平等の実現と女性・女児の能力強化は、すべての目標とターゲットにおける進展において死活的に重要な貢献をするものである。人類の潜在力の開花と持続可能な開発の達成は、人類の半数に上る(女性)の権利と機会が否定されている間は達成することができない。女性と女児は、質の高い教育、経済的資源への公平なアクセス、また、あらゆるレベルでの政治参加、雇用、リーダーシップ、意思決定において男性と同等の機会を享受するべきである。我々は、ジェンダー・ギャップを縮めるための投資を顕著に増加するために努力するとともに国、地域及びグローバルの各レベルにおいてジェンダー平等と女性の能力強化を推進する組織への支援を強化する。女性と女児に対するあらゆる形態の暴力は男性及び男子の参加も得てこれを廃絶していく。新たなアジェンダの実施において、ジェンダーの視点をシステマティックに主流化していくことは不可欠である。

21.(差別化)新たな目標とターゲットは 2016 年 1 月から効力を持ち、向こう 15 年間における我々の決定をガイドする。我々は、各国の各々の現実、能力、開発段階、政策、優先課題を考慮に入れながら、国、地域、グローバル・レベルで新目標を実施する。我々は、関連する国際規範やコミットメントと整合性を維持しつつ、持続的で包摂的かつ持続可能な経済開発を目指していくための各国の政策余地を尊重する。また、我々は持続可能な開発における、地域の側面、地域経済統合及び連結性の重要性をも認識する。地域レベルでの枠組みは、国レベルで持続可能な開発政策の具体的な実施を後押しすることにつながる。

22.(特別な課題を持つ国々)各々の国は、持続可能な開発を実現していく上で特有の課題に直面している。最も脆弱な国々、特にアフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国は、紛争下や紛争後国と同様に特別な配慮を必要としている。同様に、多くの中所得国にも深刻な課題を抱えている。

23.(脆弱な人々)脆弱な人々は能力強化がされなければならない。新アジェンダに反映されている脆弱な人々とは、子供、若者、障害者(その内 80%以上が貧困下にある)、HIV/エイズと共に生きる人々、高齢者、先住民、難民、国内避難民、移民を含む。また、我々は複合的な人道危機の影響を受けた地域に住む人々及びテロの影響を受けた人々が直面する困難や苦難を取り除き、脆弱な人々の特別なニーズに対する支援を強化すべく、国際法に照らしながら、更なる有効な措置及び行動をとる。

24.(食料安全保障)我々は、2030 年までに極度の貧困を撲滅することを含む、すべての形態の貧困の終結にコミットする。すべての人々は社会保護制度を通じてすべての人が基礎的な生活水準を享受するべきである。また我々は、優先事項として飢餓を撲滅し、食料安全保障を実現するとともに、あらゆる形態の栄養不良を解消することを決意する。この観点から、我々は世界食料安全保障委員会の重要な役割と包摂的な性格を再確認するとともに「栄養に関するローマ宣言」及び「行動枠組」を歓迎する。我々は開発途上国、特に後発開発途上国における小自作農や女性の農民、遊牧民、漁業民への支援を通じて農村開発及び持続可能な農業・漁業発展のために資源を注ぎ込む。

25.(教育)我々は就学前から初等、中等、高等、技術、職業訓練等のすべてのレベルにおける包摂的で公正な質の高い教育を提供することにコミットする。性、年齢、人種、民族、に関係なくすべての人々が、また障害者、移民、先住民、子供、青年、脆弱な状況下にある人々が社会への十全な参加の機会を確保するために必要とされる技能や知識を獲得するめの生涯学習の機会を有するべきである。安全な学校及び結束力のある地域社会や家族等を通じ、国が人口ボーナスを享受できるようにすることにより、我々は、子供や若者に彼らの権利と能力を完全に実現するための育成環境を提供するよう努める。

26.(保健 UHC)身体的及び精神的な健康と福祉の増進並びにすべての人々の寿命の延長のために、我々はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と質の高い保健医療へのアクセスを達成しなければならない。誰一人として取り残されてはならない。我々は、2030 年までにこのような防ぐことのできる死をなくすことによって、新生児、子供、妊産婦の死亡を削減するために今日までに実現した進歩を加速することを約束する。家族計画、情報、教育を含む、性と生殖に関するサービスへの普遍的なアクセスを確保することに全力で取り組む。我々は、開発途上国においてはびこる薬剤耐性や対応されていない病気に関する問題への取組を含め、マラリア、HIV/エイズ、結核、肝炎、エボラ出血熱及びその他の感染病や伝染病に対して示された進歩の速度を等しく加速する。我々は、持続可能な開発に対する大きな挑戦の一つとなっている行動・発達・神経学的障害を含む非感染性疾患の予防や治療に取り組む。

27.(経済基盤)我々は、すべての国のために強固な経済基盤を構築するよう努める。包摂的で持続可能な経済成長の継続は、繁栄のために不可欠である。これは、富の共有や不平等な収入への対処を通じて可能となる。我々は、すべての人々のための働きがいのある人間らしい仕事をはじめとして若者の雇用促進、女性の経済的能力強化の促進を通じダイナミックかつ持続可能な革新、人間中心の経済構築を目指す。我々は、強制労働や人身取引及びすべての形態の児童労働を根絶する。すべての国々は、生産性と職務を達成するために必要とされる知識や技能、社会に参入できる能力を備えた、健全で優れた教育を受けた労働人口を有する立場にある。我々は、後発開発途上国のあらゆるセクターにおける生産性向上のために構造改革を含む取組を行う。我々は、生産能力・生産性・生産雇用の増大、金融包摂、持続可能な農業・畜産・漁業開発、持続可能な工業開発、手頃で信頼できる持続可能な近代的エネルギー供給へのユニバーサルなアクセス、持続可能な輸送システム、質の高い強靱(レジリエント)なインフラにおいて、生産能力、生産性、生産雇用を増大させる政策を採用する。

28.(持続可能な消費・生産)我々は、社会における生産や消費、サービスのあり方について根本的な変革をすることにコミットする。政府、国際機関、企業、その他の非政府主体や個人は、開発途上国における持続可能な消費と生産を促進するための科学、技術、革新能力を獲得するための財政的、技術的支援等を通じてより持続可能な消費・生産パターンへの移行に貢献しなければならない。我々は、「持続可能な消費と生産に関する 10 年計画枠組み」の実施を促進する。開発途上国発展と能力を踏まえつつ、先進国がリードの下で、すべての国々が実行をする。

29.(移民)我々は、包括的成長と持続可能な開発に対する移民の積極的な貢献を認識している。また、他国への移住は、送出、通過、目的地となる各々の国の発展に大きく関連している多面的な実態の現実であり、首尾一貫した包括的な対応を必要とするということを認識する。我々は、移民に対し、その地位、難民及び避難民を問わず、人権の尊重や人道的な扱いを含む安全で秩序だった正規の移住のための協力を国際的に行う。このような協力は、特に開発途上国において難民を受け入れているコミュニティの強靱性(レジリエンス)を強化することにも注力すべきである。我々は、移民が市民権のある国へ帰国するための移民の権利を強調し、国家は帰国する自国民が正当に受け入れられることを保証しなければならないということを想起する。

30.(一方的経済措置の禁止)各国は、特に開発途上国において経済及び社会の発展を阻害し、国際法と国連憲章に合致しないような一方的経済・財政・貿易措置の公布及び適用を行うことを慎むよう強く求められている。

31.(気候変動)我々は、気候変動枠組条約が、気候変動に対する地球規模の対応を交渉するための主要な国際的、政府間フォーラムであるということを認める。我々は、気候変動や環境破壊によって引き起こされた脅威に対し断固として取り組む決意である。地球規模の気候変動の特徴を踏まえ、世界の温室効果ガス排出削減を加速し、気候変動による負の影響に対する適応を促進するための可能な限り広い国際協力が求められる。我々は、2020年までの世界の年間温室効果ガス排出に関する締約国の緩和約束の総体的効果と、世界の平均気温の上昇を産業革命以前と比べて2又は1.5℃以内に抑える可能性が高い総体的な排出の道筋との間に大きな隔たりがあることについて深刻な懸念をもって留意する。

32.(気候変動)12 月のパリにおける第 21 回締約国会合を見据え、我々は、野心的で世界共通の気候合意にむけて取り組むというすべての国のコミットメントを強調する。我々は、気候変動枠組条約の下で全ての締約国に適用される議定書、他の法的文書又は法的効力を有する合意成果は、均衡のとれた態様、とりわけ、緩和、適応、資金、技術開発・移転、能力構築、行動と支援に関する透明性等を扱うものとすることを再度確認する。

33.(天然資源、海洋、生物多様性等)我々は、社会的・経済的発展の鍵は、地球の天然資源の持続可能な管理にあると認識している。よって我々は、大洋、海、湖の他、森林や山、陸地を保存し、持続的に使用すること及び生物多様性、生態系、野生動物を保護することを決意する。また、我々は、持続可能な観光事業、水不足・水質汚染への取組を促進し、砂漠化、砂塵嵐、浸食作用、干ばつ対策を強化し、強靱性(レジリエンス)の構築と災害のリスク削減にむけた取組を強化する。この観点から我々は、2016 年にメキシコで開催される生物多様性条約第 13 回締約国会議に期待を寄せている。

34.(都市発展、化学物質等)我々は、持続可能な都市開発とその管理は、我々の国民の生活の質を確保する上で欠くことができないことであるということを認識する。我々は、地域社会のつながりと安全の確保の他、イノベーションと雇用を促進するための都市や人間の居住地の更新、計画を実施するために地方政府やコミュニティと協働する。我々は、化学物質の環境上適正な管理と安全な使用、廃棄物の削減と再生利用、水とエネルギーのより有効な活用等を通じ、都市活動や人の健康と環境に有害な化学物質の負のインパクトを減らす。こうして、我々は、地球気候システムに対する都市の影響を最小化するよう努力する。また、我々は、国家・農村・都市の開発計画を策定する際に、人口動態と将来推計を踏まえて検討を行う。我々は、エクアドルの首都キトで開催が予定されている「人間居住と持続可能な都市開発に関する国連会議」に期待している。

35.(平和と安全)持続可能な開発は、平和と安全なくしては実現できない。同時に、平和と安全は、持続可能な開発なくしては危機に瀕するだろう。新アジェンダは、司法への平等なアクセスを提供し、(発展の権利を含む)人権の尊重、効果的な法の支配及び全てのレベルでのグッド・ガバナンス並びに透明、効果的かつ責任ある制度に基礎をおいた平和で、公正かつ、包摂的な社会を構築する必要性を認める。新アジェンダにおいては、不平等さ、腐敗、貧弱な統治、不正な資金や武器の取引といった暴力、不安及び不正義を引き起こす要因に焦点が当てられている。我々は、平和構築及び国家建設において女性が役割を担うことを確保することも含めて紛争の解決又は予防、及び紛争後の国々の支援のための努力を倍加しなければならない。我々は、経済的・社会的発展及び環境の面でも悪影響を及ぼし続けている植民地下及び外国占領下にある人民の自決の権利の完全な実現への障害を除去するために、国際法に合致する更なる効果的な手段と行動を求める。

36.(文化)我々は、文化間の理解、寛容、相互尊重、グローバル・シチズンシップとしての倫理、共同の責任を促進することを約束する。我々は、世界の自然と文化の多様性を認め、すべての文化・文明は持続可能な開発に貢献するばかりでなく、重要な成功への鍵であると認識する。

37.(スポーツ)スポーツもまた、持続可能な開発における重要な鍵となるものである。我々は、スポーツが寛容性と尊厳を促進することによる、開発及び平和への寄与、また、健康、教育、社会包摂的目標への貢献と同様、女性や若者、個人やコミュニティの能力強化に寄与することを認識する。

38.(領土保全及び政治的独立)我々は、国連憲章に従って、国の領土保全及び政治的独立が尊重される必要があることを再確認する。

実施手段

39.新アジェンダの規模と野心は、その実施を確保するために活性化された「グローバル・パートナーシップ」を必要とする。我々は、全面的にこれにコミットする。このパートナーシップは、世界的連帯、特に、貧しい人々や脆弱な状況下にある人々に対する連帯の精神の下で機能する。それは、政府や民間セクター、市民、国連機関、その他の主体及び動員可能なあらゆる資源を動員して全ての目標とターゲットの実施のために地球規模レベルでの集中的な取組を促進する。

40.(実施手段、アディスアベバ行動目標との関係)目標 17 とそれぞれの SDG 下における実施手段は、我々のアジェンダを実現する鍵であり、その他の目標とターゲットの重要さに匹敵する。SDGs を含むアジェンダは、持続可能な開発のための活性化されたグローバル・パートナーシップの枠組みの下で実現され、 2015 年 7 月 13~16 日、アディスアベバで開催された第 3 回開発資金国際会議成果文書に記載されている具体的な政策と行動によって支えられる。我々は、持続可能な開発のための 2030 アジェンダの不可欠な部分であるアディスアベバ行動目標が国連総会においてエンドースされたことを歓迎する。我々は、アディスアベバ行動目標の十分な実施は、持続可能な開発の目標とターゲットの実現に不可欠であることを認める。

41.(国家、民間セクターの役割)我々は、それぞれの国が自国の経済・社会発展のための第一義的な責任を有するということを認識する。新アジェンダは、その目標とターゲットの実施に必要とされる手段も含んでいる。これらの実施手段は財政的なリソースの動員をはじめとして、相互に同意された譲許的優遇的な条件で開発途上国に対し行われる環境に優しい技術の移転、能力構築を含むものであることを認める。国内及び国際社会による公的資金は、不可欠なサービスと公共財の供給及び他の資金源を呼び込む上できわめて重要な役割を果たす。我々は、小規模企業から多国籍企業、協同組合、市民社会組織や慈善団体等多岐にわたる民間部門が新アジェンダの実施における役割を有することを認知する。

42.(各種行動計画、アフリカ関連イニシアティブ、紛争)我々は、「イスタンブール宣言及び行動計画」、「サモア・パスウェー(SAMOA pathway)」、「ウィーン行動計画」等の関連ある戦略及びプログラムの実施を支持する。また、新アジェンダにおいて不可欠であるアフリカ連合の「2063 アジェンダ」と「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」のプログラムを支持することの重要性を再確認する。我々は、紛争下や紛争後の国々が永続的な平和と持続可能な開発を達成するための大きな課題を有していることを認識する。

43.(ODA の役割、コミットメントの再確認)我々は、国際的な公的資金が、国内、とりわけ限られた国内資源しかない最貧国や脆弱な国において、公的資源を国内的に動員するための取組を補完する上で重要な役割を果たすということを強調する。ODA を含む国際的な公的資金の重要な活用は、公的及び民間の他の資源からの追加的な資源を動員する触媒となるものである。ODA 供与国は、開発途上国に対する ODA を GNI 比 0.7%に、後発開発途上国に対する ODA を GNI 比 0.15~0.2%にするという目標を達成するとの多くの先進国によるコミットメントを含め、それぞれのコミットメントを改めて確認する。

44.(国際金融機関の役割)我々は、国際金融機関が、特に開発途上国に対し、それぞれのマンデート及び各々の国の政策スペースに従って支援を行う重要性を認める。我々は、国際的な経済上の決定や国際的な経済面のガバナンスや規範に関する意思決定において、アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国、中所得国も含む開発途上国の声と参入を普及し強化することにコミットする。

45.(国会議員、政府、公的機関の役割)我々は、新アジェンダのために必要とされる予算の可決と我々のコミットメントの効果的な実施に関する説明責任を確実なものとするために、国会議員が果たす不可欠な役割についても認識している。また、政府と公共団体は、地方政府、地域組織、国際機関、学究組織、慈善団体、ボランティア団体、その他の団体と密接に実施に取り組む。

46.(経社理、国連開発システム)我々は、SDGs と持続可能な開発の達成を支援するために、十分に資源に恵まれ、適切に、首尾一貫した、有効で効果的な国連システムが有する重要な役割を強調する。国レベルでのより強化されたオーナーシップ及びリーダーシップの重要性を強調する一方で、我々は、本アジェンダの文脈における経済社会理事会での「国連開発システムの長期的ポジショニングに関する対話」を支持する。

フォローアップとレビュー

47.次の 15 年に向けた目標とターゲットを実行する進歩に関し、各国政府が、国、地域、世界レベルでのフォローアップとレビューの第一義的な責任を有する。国民への説明責任を果たすため、我々は、本アジェンダ及びアディスアベバ行動目標に記されているとおり様々なレベルにおける体系的なフォローアップとレビューを行う。また、国連総会及び経済社会理事会の下で開催される「ハイレベル政治フォーラム」が、世界レベルのフォローアップとレビューを監督する主要な役割を持つ。

48.(本件アジェンダを達成するための)指標は、こうした(フォローアップ)活動を支援するために整備される。誰一人も取り残さないよう進捗を測定するためには、高品質で、アクセス可能、時宜を得た細分化されたデータが必要である。このようなデータは、政策決定の鍵となる。現存する報告メカニズムからのデータと情報は、可能な限り活用されるべきである。アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国、中所得国をはじめとする開発途上国における、統計能力の強化のための努力を強化することに我々は合意する。我々は進捗を測定するために、GDP 指標を補完する、より包括的な手法を開発することにコミットする。

我々の世界を変える行動の呼びかけ

49.(国連とそれを支える価値観)70 年前、以前の世代の指導者たちが集まり、国際連合を作った。彼らは、戦争の灰と分裂から、国連とそれを支える価値、すなわち平和、対話と国際協力を作り上げた。これらの価値の最高の具体化が国連憲章である。

50.(新アジェンダの歴史的意義)今日我々もまた、偉大な歴史的重要性を持つ決定をする。我々は、すべての人々のためによりよい未来を作る決意である。人間らしい尊厳を持ち報われる生活を送り、潜在力を発揮するための機会が否定されている数百万という人々を含む全ての人々を対象とした決意である。我々は、貧困を終わらせることに成功する最初の世代になり得る。同様に、地球を救う機会を持つ最後の世代にもなるかも知れない。我々がこの目的に成功するのであれば 2030 年の世界はよりよい場所になるであろう。

51.(新アジェンダの歴史的意義)今日我々が宣言するものは、向こう 15 年間の地球規模の行動のアジェンダであるが、これは 21 世紀における人間と地球の憲章である。子供たち、若人たちは、変化のための重要な主体であり、彼らはこの目標に、行動のための無限の能力を、また、よりよい世界の創設にむける土台を見いだすであろう。

52.(人々を中心に据えたアジェンダ)「われら人民は」というのは国連憲章の冒頭の言葉である。今日 2030 年への道を歩き出すのはこの「われら人民」である。我々の旅路は、政府、国会、国連システム、国際機関、地方政府、先住民、市民社会、ビジネス・民間セクター、科学者・学会、そしてすべての人々を取り込んでいくものである。数百万の人々がすでにこのアジェンダに関与し、我が物としている。これは、人々の、人々による、人々のためのアジェンダであり、そのことこそが、このアジェンダを成功に導くと信じる。

53.(結語)人類と地球の未来は我々の手の中にある。そしてまた、それは未来の世代にたいまつを受け渡す今日の若い世代の手の中にもある。持続可能な開発への道を我々は記した。その道のりが成功し、その収穫が後戻りしないことを確かなものにすることは、我々すべてのためになるのである。

持続可能な開発目標(SDGs)とターゲット

54.(SDGs公開作業部会報告書)包摂的な政府間交渉プロセスを経て、且つ持続可能な開発に関する公開作業部会の提案、その中には同提案の背景を説明するシャポー1を含む、を踏まえ、下記の事項が、我々が合意した目標とターゲットである。

55.(各国の状況を踏まえた差別化)持続可能な開発目標(SDGs)とターゲットは、各国の置かれたそれぞれの現状、能力、発展段階、政策や優先課題を踏まえつつ、一体のもので分割できないものである。また、地球規模且つすべての国に対応が求められる性質のものである。ターゲットは、地球規模レベルでの目標を踏まえつつ、各国の置かれた状況を念頭に、各国政府が定めるものとなる。また、各々の政府は、これら高い目標を掲げるグローバルなターゲットを具体的な国家計画プロセスや政策、戦略に反映していくことが想定されている。持続可能な開発が経済、社会、環境分野の進行中のプロセスとリンクしていることをよく踏まえておくことが重要である。

56.(特別な課題を持つ国々)これらの目標とターゲットを決定するに当たって、我々は各国が持続可能な開発を達成するために特有の課題に直面していることを認識し、最も脆弱な国々、特にアフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国が直面している特別な課題とともに、中所得国が直面している特有の課題を強調する。また、紛争下にある国々も特別な配慮を必要としている。

57.(データ収集のための能力構築)我々は、いくつかのターゲットについては、基準データが入手困難であるということを認識し、まだ確立されていない国及び地球規模レベルの基準データを整備するための加盟国レベルでの能力構築及びデータ収集強化の支援を強く求める。我々は、以下のターゲットの内、特に明確な数値目標が掲げられていないものについて、その進捗をより的確に把握するために適切な対応をとることにコミットする。

58.(他のプロセスとの関係)我々のアジェンダの実施の妨げとなり得る課題に関する他のフォーラムでの各国の取組を歓迎する、また一方で、それらのプロセスの独自性も尊重する。我々は、本アジェンダ及びその実施が、他のプロセスやそこでの決定に対しこれに貢献することはあっても侵害することのないようにする。

59.(各国の差別化)我々は、持続可能な開発の達成に向け、それぞれの国が置かれた状況及び優先事項に基づき各々に違ったアプローチ、ビジョン、モデルや利用可能な手段が変わってくることを認識する。そして、我々は、地球という惑星及びその生態系が我々の故郷であり、「母なる地球」が多くの国及び地域において共通した表現であるということを再確認する。

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