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貧困をなくそう
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。2000年以来、多くの開発途上国が多様の事態に保護を提供する政策を採択したこともあって、世界を通して社会的保護が拡大した。「2016年持続可能な開発目標報告」によると、極度の貧困ライン以下、すなわち、2011年米ドル購買力平価を利用して1人当たり1ドル90セントもしくはそれ以下で生活するグローバルな人々の割合は、2002年から2012年までに間に26人から13人と半数に下がった。しかし、いまだに、サハラ以南のアフリカにおいては貧困が広く見られ、住民の40パーセント以上が、2012年現在、1日1.90ドル以下で生活していた。
進展が見られたにもかかわらず、社会的支援もしくは社会的保護の便益を受けられた人は、高・中所得国では3人に2人の割合であったのに対し、低所得国では5人に1人であった。
2015年、世界の労働者とその家族の10パーセントは1日1人当たり1.90ドル以下で生活していた。これは2000年に比べて28パーセントの減少である。しかし、2016年SDG報告によれば、15才から24才までの若者が低収入労働者の中に入る可能性が高く、2015年には若者の就業者の16パーセントが貧困ライン以下の生活をしていた。成人就業者の場合は9パーセントであった。
世界の指導者はSDGsを採択するにあたって国際アジェンダのトップに貧困削減の問題を持ってきた。とくに目標1は、極度の貧困も含め、いかなる形態の貧困も終わらせ、平和と繁栄を確保する普遍的な行動を求めている。国連開発計画(United Nations Development Programme: UNDP)(www.undp.org)は、貧困の削減を主要な優先事項としてきた。UNDPは、貧困の原因となる広範な要因に対処できるように政府や市民社会組織の能力を強化することに努めている。たとえば、食糧安全保障を強化すること、雇用の機会を創出すること、人々が土地や融資、技術、訓練、市場にアクセスできるようにすること、住居や基本サービスの提供を改善すること、そして人々が自分たちの生活を形成する政治に参加できるようにすること、などである。UNDPの貧困撲滅活動の基本的な動機は、貧しい人々の能力を向上させることである。
農業と農村開発
世界人口のおよそ半数が農村地域に住んでいる。ほとんどの人はその生計を直接的または間接的に農業から得ている。実際、世界のもっとも貧しい人々の大多数は農村地域に住んでいる。工業化や都市化へ急ぐあまり、農業部門へは十分な投資が行われなかった。国連は様々な方法でこの不均衡を正そうとしている。
国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization of the United Nations: FAO)(www.fao.org)は、飢餓、栄養不良、貧困のない世界、食糧と農業が持続可能な方法ですべての人々の生活水準の改善に貢献できるような世界の実現を目指している。食糧と農業は持続可能な開発へのカギであり、2030アジェンダの達成に不可欠である。FAOは持続可能で包摂的な農業・農村開発を進め、少ない労働量で多くを生産できるようにする。持続可能な食料と農業のためのFAOの枠組みは、SDGs実施に必要な五つの要素を特徴としている。
資源の利用の効率を改善する
自然生態系を保存、保護、強化する
農村の生計、正当な権利、社会福祉を保護、改善する
人々、共同体、生態系の強靭性(レジリエンス)を強化する
自然、人間のシステムを超えて責任ある、かつ効果的な統治メカニズムを促進する
FAOは現在常時世界の各地でおよそ2,000件のフィールド・プロジェクトを進めている。統合された土地管理プロジェクトや緊急対応から森林や市場戦略に至るまで、政府への政策や計画作成についての助言を提供することにまで及ぶ。
FAO投資センターは、国際融資機関(IFIs)とのパートナーシップのもとに、農業や農村の開発に対する投資について各国を支援する。1964年以来、センターとIFIパートナーは2,100件以上のプロジェクトに対して1,150億ドルを超す農業・農村開発への投資を可能にした。その額のうち、740億ドルはIFIの融資を受け、残りは受益国が負担した。
国際農業開発基金(International Fund for Agricultural Development: IFAD)(www.ifad.org)は、農村に住む人々が貧困を克服できるようにする農業開発計画やプロジェクトに融資する。IFADは、貧しい農村の人々の経済的向上と食糧の安全を促進する計画やプロジェクトに融資やグラントを提供する。IFAD支援のイニシアチブによって、こうした人々が生産的な農業を行うために必要な土地、水、財政的資源、農業技術とサービスを受け、かつ収入を増やす一助となる市場や企業の機会を利用できるようになる。
IFAD支援のプログラムやプロジェクトから恩恵を受ける者は、世界でもっとも貧しい人々である。すなわち、小農、農村で土地を持たない人、遊牧民、昔ながらの漁業社会、先住民であり、そしてすべての社会層を通して貧しい農村の女性である。IFADは、農村の貧困と食料不足を解消することによってSDGsを達成できるように努めている。そのため、小自作農が生産性と収入を増やせるようにする投資、農村女性のエンパワーメントの支援、包摂的、多様な、生産的な農村経済の育成、持続可能な農業と気候変動に対する小自作農の適応能力への投資、地方公共機関や天然資源統治の強化、などを行う。
1978年の設立以来、IFADは、農村開発のためにおよそ253億ドルの協調融資や現地の資金調達を動員するとともに、融資やグラントの形でさらに176億ドルの支援を行った。これまで、123の受益国政府とのパートナーシップのもとに1,013件のプログラムやプロジェクトを支援した。
飢餓をゼロに
飢餓を終わらせ、食料安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。2016年SDG報告によると、飢餓に苦しむ人口の割合は2000‒2002年の15パーセントから2014‒2016年の11パーセントへと減少した。しかし、世界全体で7億9000万人以上の人々がいまだに適切な食料を入手できない状態にある。サハラ以南のアフリカでは成人人口の半数以上が、2015年に、中程度もしくは厳しい食料不足に直面した。世界的には、2014年、5歳以下の子どもの場合、4人に1人が発育不全であった。その数は1億5900万人にも達した。子どもの栄養不良が持つもう一つの側面は、肥満児童の数が増えていることである。これはほとんどすべての地域にみられる問題である。2014年には5歳未満でおよそ4,100万人の子どもたちが体重超過であった。そのうちの半数がアジアに住んでいる。もし人間を中心とした農村開発を適切に行い、環境を保護するならば、農業や林業、漁業が栄養ある食料をすべての人々に提供し、人並みの収入を生み出すことができる。
飢餓との闘い
食糧生産は1945年に国連が設立されて以来未曽有の勢いで増加してきた。今日、地球上のすべての子ども、女性、男性に食物を与えるに十分な食料がある。1990年代初めから2016年にかけて、世界の人口が19億人も増加したにもかかわらず、飢餓人口の数は世界的に2億1600万も減少した。FAOがモニターした国の大多数はMDGsの目標に達し、2015年に飢餓人口の数を半数にした。それにかかわらず、2016年に十分に食べることのできなかった人の数はおよそ7億9300万人にも達した。進展はしているものの、紛争や政治的不安定、災害などに阻まれることが多く、危機が長引く。SDG 2は飢餓とあらゆる形態の栄養不良を終わらせ、2030年までに持続する食料生産を達成するよう国際社会に求めている。
飢餓と闘う国連機関のほとんどは、とくに農村地域の貧しい人口層を中心に、食料安全保障を強化する社会的保護計画を進めている。その設立以来、FAOは、貧困と飢餓を根絶する活動を続け、そのために持続可能な農村・農業開発を進め、栄養の改善や食料安全保障の実現に努めてきた。食糧安全保障とは、すべての人が活動的かつ健康的な生活を営むために必要な食事や嗜好を満たす十分で安全で栄養価に富む食事を常に実際的かつ経済的に入手できるようにすることである。
FAOの「世界食糧安全保障委員会(Committee on World Food Security)」は、国際の食糧安全保障状況について監視し、評価し、協議する。委員会は国際的な政府間プラットフォームで、すべてのステークホルダーがすべての人に食糧安全保障と栄養を確保するためにともに働けるようにする。委員会は食料の安全保障と栄養の幅広い問題について政策の提言やガイダンスを行う。
全地球情報早期警報システム(Global Information and Early Warning System)(www.fao.org/giews)は、衛星を利用して食料の供給と需要、その他の指標を監視し、世界のすべての国の食糧安全保障状況を評価する。食糧の供給に潜在的な脅威が生じた場合はそれについて国や援助国に注意を呼びかける。FAO本部はまた「農業市場情報システム(Agricultural Market Information System)の事務局を務める。これは政府間のプラットフォームで、市場の先行き不確実性に応えて市場の透明性や行動を推進する。また、もっとも影響を受けやすい人々のために食糧の価格危機と闘う。
FAOが主催した2009年の「食料安全保障に関する世界サミット」は、できるだけ早い時期に飢餓を撲滅するようすべての国に訴えた宣言を採択した。また、気候変動が食料の安全保障にもたらす課題に取り組むことに合意した。
国際農業開発基金は、世界のもっとも貧しい地域で飢餓と闘うための開発資金を提供する。1日1ドル未満で生活する世界のもっとも貧しい人々の大多数は、開発途上国の農村地域に住んでおり、農業やそれに関連した仕事によって生計を立てている。開発援助がそれをもっとも必要としている人々に届くようにするために、IFADは、貧しい農村の男女を開発に直接参加させ、彼ら自身やその組織との共同で、自分たちの地域社会で経済的に自立する機会を作り出せるようにする。
世界食糧計画(World Food Programme: WFP)(www.wfp.org)は、もっとも必要としている人々にまず焦点を合わせながら、グローバルな飢餓と栄養摂取の問題に取り組む国連の第一線で活躍する機関である。2015年、WFPは81カ国の7,670万人以上のもっとも弱い立場にある人々に食糧援助を行った。さらに160万人の人々が、ほとんどがホスト国の支援による、信託基金の資金援助を受けた。WFPは毎年200万トン以上の食料を購入する。WFPは、援助を必要としている国に最も近いところから食糧を購入することをその政策としているが、そのことは少なくとも食糧援助の少なくとの4分の3が開発途上国から調達されることを意味している。現地で購入することは、輸送の時間と費用を節約するばかりか、現地経済の強化に貢献する。
WFPの飢餓との戦いは緊急援助、救援と復興、開発援助、特別の支援活動に焦点を当てている。緊急事態が発生すると現地に最初に現れのがWFPであることがしばしばで、戦争や内戦、干ばつ、洪水、地震、ハリケーン、作物の凶作、自然災害の被災者に食糧を届ける。緊急事態が治まると、WFPは食糧を使って地域社会がその破綻した生活や生計を再建できるように支援する。
食糧と食糧関連の援助は、開発途上国の多くが追い込まれている飢餓と貧困の連鎖を断ち切るもっとも効果的な方法の一つである。WFPの開発プロジェクトは、学校給食のようなプログラムを通して、とくに母親や子どものための栄養摂取に焦点をあてている。WFPは50年以上にわたって学校給食計画を実施できており、今ではそれを行う世界最大の人道支援機関である。毎年、WFPは63カ国を超える国々で2000万から2500万人の児童に学校給食を提供し、もっとも到達困難な地域であることもしばしばである。2015年、WFPは62カ国のおよそ6万3000校の1,740万人の生徒に食事を提供した。WFPは調理済みの食事、スナック菓子、そして / もしくは持ち帰りの食料を提供する。これは、子どもたち、とくに女子が常にクラスに出席できるようにするためである。学校給食は子どもが1日に受け取る唯一の食事であることがしばしばである。学校給食は授業に集中するために必要な栄養とエネルギーを子どもたちに与えるばかりではなく、両親にとって子どもたちを学校へ行かせるための強い動機にもなる。さもなければ、子どもたちを家において働かせることになるからである。また、学校への出席、在席、卒業の率を高める。このことは女子の場合とくに重要で、さもなければ早くに結婚させられることになる。WFPは、地域社会や現地政府との連携で学校給食に使われる食糧はできるだけ現地の小自作農家から調達するようにしている。
2015年、WFPは2番目に高い水準の任意の拠出金を受けた。およそ48億ドルである。支出の79パーセントは緊急援助へ回される。およそ126億食の食料が、一食当たり平均0.31ドルの費用で供給された。現金ベースの送金は6億8000万ドルに達し、960万人の人々が援助を受けた。2014年に比べ8パーセントの増加である。
すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。2000年から2015年にかけての世界の妊産婦の死亡率、すなわち出生10万人に対する妊産婦の死亡数は37パーセント減少して、2015年には出生10万人に対する妊産婦の推定死亡数は216人であった。2016年SDG報告は、ほとんどすべての妊産婦の死亡は設備が不十分とか専門医へのアクセスが限られているような状況の下で発生しており、それは阻止しうるものであることを示している。世界的に、2015年には4人に3人は誕生時に熟練した医療従事者の支援を受けることができた。5歳児未満死亡率は2000年から2015年にかけて急速に低下し、グローバルに44パーセントの低下があった。それにもかかわらず、2015年には5歳未満のおよそ590万の子どもたちが死亡した。グローバルな5歳児未満死亡率は出生1000人に対して43人であった。
HIV/エイズ、結核、マラリアを含む主な感染症の発生は2000年には世界的に減少した。しかし、2015年には210万人が新たにHIVに感染し、推定2億1400万人がマラリアに感染した。世界人口のほとんど半数がマラリア感染の危機にある。しかし、サハラ以南のアフリカ地域では全症例の89パーセントを占める。
2012年の推定によると、世界の総死亡者数の68パーセントを占める年間およそ3800万人の死亡は、非感染性疾病によるものである。70才以下の人々で非感染性疾病による死亡の3分の2が心臓血管の病気やがんによるものであった。
不健康な環境条件は非感染性、感染性を問わず双方の病気のリスクを高める。2012年、およそ88万9000人が感染性の病気によって死亡した。その原因は主に水や土壌の糞便汚染、不適切な手洗いの設備、不十分な衛生サービスもしくはその欠如であった。同じ年、家庭内および環境の大気汚染によっておよそ650万人が死亡した。
SDG 3は生と生殖に関する健康および母子の健康を改善し、主要な感染症の流行を終わらせ、非感染性および環境上の疾病を削減し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成し、かつ安全、安価で効果的な医薬品へのアクセスを確保する。
世界のほとんどの国で人々の寿命は延び、幼児死亡率が下がり、常時治療が受けられるようになった。多くの人々が基礎的な保健サービスや予防接種、きれいな飲料水や衛生施設を利用できるようになったのがその理由である。国連はこうした前進の多くに深く係わってきた。とくに開発途上国において保健サービスを支援し、基本的な医薬品を届け、都市の健全化を計り、緊急時に保健支援を提供し、感染症と闘ってきた。しかし、ほとんどの感染症の原因と治療は知られており、ほとんどの場合病気や死亡は支払い可能な費用で回避できる。主要な感染症はHIV/エイズ、マラリア、結核である。「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria)」(www.theglobalfund.org)は、こうした努力に大きく貢献する。
最初のエイズ患者が1981年に報告されて以来7,800万の人々がHIVに感染し、3,500万人がエイズ関連の病気で死亡したが、それでもHIV/エイズ対策ではかなりの進歩があった。国連合同エイズ計画(Joint United Nations Programme on HIV/AIDS: UNAIDS)(www.unaids.org)の推定によると、2015年末現在、HIV感染者の数は3,700万人であった。2016年6月までに、1,800万人以上のHIV感染者が命を救う抗レトロウイルス療法を受けた。HIVの母子感染を防ぐ努力は成功し、子どもたちのHIV感染は2010年の29万人から2015年の15万人まで減少した。しかし、HIV感染者の大多数は依然として治療にアクセスできず、HIV予防における進歩は減速した。2015年に新たに感染した人の数は2100万人であった2000年時に比べ35パーセントの減少であったが、HIVの新たな感染者は2010年以来わずか6パーセントの減少であった。2015年、10万人以上の子どもも含め、110万人がエイズ関連の原因で死亡した。これらの死亡者の3分の1が結核によるものであった。
UNAIDSはHIVに対してはライフサイクル的なアプローチをとっている。人生のそれぞれの段階でその人にもっともふさわしいHIV解決法を見出す。より効果的な、耐えられる、安価な治療法、それに治療やワクチンを発見するために研究への投資が依然として必要である。
総会は、国連HIV/エイズハイレベル会合(ニューヨーク、2016年6月8日-10日)で「HIVとエイズに関する政治宣言」を採択した。その中で参加国は、国民の健康への脅威としてエイズの流行を2030年までに終息させることを誓った。また、会合では、2020年までに達成すべき三つの暫定的な優先目標を採択した。HIVの新規感染者の数を50万人以下にする、エイズ関連死亡者を年間50万人以下にする、HIV関連のスティグマ(汚名)や差別を廃止する、ことである。
何十年もの間、国連システムは病気との闘いで最前線に立ってきた。そのため、国連は健康問題の社会的側面に対処する政策やシステムを作り出した。国連児童基金(ユニセフ)(www.unicef.org)は子どもと母親の健康に焦点を合わせ、国連人口基金(UNFPA)(www.unfpa.org)はリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)と家族計画の問題に取り組んでいる。病気に関するグローバルな活動を調整する専門機関は世界保健機関(WHO)(www.who.int)である。WHOはすべての人の健康を実現するという野心的な目標を定め、誰もがリプロダクティブ・ヘルスを利用できるようにし、パートナーシップを構築し、健全なライフスタイルと環境を促進してきた。
WHOは各種の歴史的業績の推進力となってきた。たとえば、1979年の天然痘根絶がある。これを達成するには10年に及ぶキャンペーンが必要であった。国連のもう一つの機関、FAOは2010年の牛疫の撲滅では影の推進者であった。この疾病は、2001年以来野外では検知されておらず、撲滅された最初の動物の疾病であった。牛疫の撲滅は、人間の天然痘の撲滅に続く世界で二番目に撲滅された病気である。
WHOはそのパートナーとともに1994年に南北両アメリカ大陸から、2000年には西太平洋地域から、そして2002年にはヨーロッパ大陸からポリオをなくした。ポリオを完全に撲滅するグローバルな努力は現在も続けられている。「世界ポリオ撲滅イニシアチブ(Global Polio Eradication Initiative)」(www.polioeradication.org)が1988年に発足して以来、ポリオ患者数は99パーセント以上も減少し、その年の350,000人から2015年には66人にまで減少した。2016年、ポリオが残っている国は1988年の125カ国から2016年にはアフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3カ国だけとなった。このイニシアチブを通して、世界の25億人以上の子どもたちがこの病気についての予防接種を受けた。ポリオの撲滅から生じる公衆衛生部門の節約額は、400億ドルから500億ドルにも達すると推定される。
「ロール・バック・マラリア(RBM)パートナーシップ(Roll Back Malaria(RBM) Partnership)」(www.rollbackmalaria.org)は、WHO、ユニセフ、UNDP、世界銀行が1998年に発足させた機関で、全世界的に調整された形でマラリアの問題に取り組む。それにはマラリア流行国、その二国間・多数国間開発パートナー、民間部門、NGO、地域社会ベースの組織、財団、研究・学術機関が参加し、ともにマラリアが死亡の主要原因とならず、かつ経済社会開発の障害とならないような世界を作り出すことに努める。RBMの総合的戦略は、支援の対象を普遍的なものにし、かつ医療制度を強化することによって疾病率と死亡率を引き下げることを目的としている。
グローバルな「ストップ結核パートナーシップ(Stop TB Partnership)」(www.stoptb.org)は2001年に設立され、結核になりやすいすべての人を支援し、必要とするすべての人が質の高い診断、治療、ケアを受けられるようにすることが目的である。国際機関や技術団体、政府プログラム、研究所や資金提供機関、財団、」NGOs、市民社会、コミュニティ・グループ、それに100カ国以上の国々の民間部門など、1,500のパートナーで構成される。
「妊産婦及び乳幼児の健康を守るためのパートナーシップ(Partnership for Maternal, Newborn and Child Health: PMNCH)(www.pmnch.org)は、2005年9月に設立され、事務局はWHOに置かれている。「安全な母性と新生児の健康のためのパートナーシップ(Partnership for Safe Motherhood and Newborn Health)」、「健康な新生児のためのパートナーシップ(Healthy Newborn Partnership)」、「子どもの生存のためのパートナーシップ(Child Survival Partnership)」の三つの機関の80メンバーが集まってつくったもので、MDGsの達成を支援するために協力とコンセンサス形成を強化することを目的としている。今日では、パートナーシップは、性、リプロダクティブ、母性、新生児、子どもや青年期の健康などに関する団体など、77カ国の750以上の団体の同盟となっている。パートナーシップは「すべての女性すべての子ども(Every Woman EveryChild)」運動、「女性のためのグローバル戦略(Global Strategy for Women’s)」,「子どもと青年の健康(Children’s and Adolescents’ Health)」を支援している。
もう一つの大きな国連の業績は、たばこの供給と消費を規制する画期的な公衆衛生条約を2003年に採択したことである。世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」はたばこの課税、喫煙防止と治療、不正取引、広告、スポンサー行為とプロモーション、生産規制などについて規定したものである。条約は、喫煙に関連した病気を削減するグローバルな戦略の一環として採択された。毎年、たばこの喫煙が原因で500万人近くの人々が死んできた。WHOはまた、肥満と闘う活動にも先導的な役割を果たしている。肥満はいまや世界的な健康上の問題となっている。2014年、19億の成人、すなわち18才以上の人々が標準体重を超えている。そのうち、6億人が肥満であった。
「非感染性疾患の予防と管理に関するグローバル行動計画(Global Action Plan for the Prevention and Control of Non‒communicable Diseases: NCDs 2013-2020)(www.who.int/nmh/events/ncd_action_plan)は、2011年の「非感染性疾患に関する国連政治宣言(UN Political Declaration on Non‒communicable Diseases)のコミットメントを達成することを目的にWHOが発展させた。NCDsは心臓病、脳卒中、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患、メンタル・ヘルスをはじめ、暴力や傷害なども含め、世界のすべての死亡原因の70パーセント以上を占める。これらの死亡のうちの10件に8件は低・中所得国で発生している。グローバル行動計画は、2025年までに達成すべき九つのグローバルなNCD目標の進歩に貢献する。その中にはNCDs 1による若年死を相対的に25パーセント減少させることや、2010年の比率に合うようにグローバルな肥満傾向を抑えることなども含まれる。
1980年から1995年にかけて、ユニセフとWHOの共同の努力によって、六つの殺人病、すなわちポリオ、破傷風、はしか、百日咳、ジフテリア、結核に対する予防接種率が5パーセントから80パーセントにまで引き上げられた。これによって年におよそ250万人の子どもたちの命が救われることになった。同じようなイニシアチブに「ワクチンと予防接種の世界同盟(Global Alliance for Vaccines and Immunization: GAVI)(https://www.gavi.org/our-alliance)がある。ビル&メリンダ・ゲイツ財団の初期基金をもとに1999年に発足したものである。2000年以来、GAVIの支援によってB型肝炎、ヘモフィルス・インフルエンザ型菌(Hib)感染症、百日咳に対する定期的な予防接種が行われ、また、はしか、ポリオ、黄熱に対して一回きりの予防接種が行われた。世界同盟にはWHO、ユニセフ、世界銀行、民間セクターがパートナーとして参加している。
感染性疾患の領域でWHOが優先課題としていることは、グローバルなパートナーシップを通してマラリアや結核の影響を緩和すること、感染性の病気に対する監視、モニタリング、対応を強化すること、定期的250な予防・管理体制を強化すること、そして、開発途上国が利用できるように新しい知識、治療介入の方法、実施戦略、研究能力を生み出すこと、である。WHOは関係国とともに、HIV、結核、マラリア、それに顧みられない熱帯病の予防、治療、ケアへのアクセスを増加、維持し、ワクチンによる予防可能な病気を少なくすることに努めている。WHOはまた、プライマリー・ヘルスケアの促進、基本的な医薬品の提供、健全な都市の建設、健康的なライフスタイルや環境の促進においても重要な役割を担っている。また、健康に関する緊急事態においても重要な役割を果たしている。
WHOのもう一つの優先課題は「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(universal health coverage)」である。WHOは政策立案者、市民社会、学術団体や民間部門とともにそれぞれ国が信頼に足る国民医療制度を開発、実施、監視できるように支援する。また、各国が公平かつ平等で人間中心の公共医療サービスを受けられるようにするとともに、支払い可能な費用で安全かつ効果的な医療技術にアクセスできるようにし、保健医療情報システムと証拠に基づく政策決定を強化できるように支援している。
WHOは健康に関する研究のための原動力としての役割も果たしている。WHOはそのパートナーとともに、とくに開発途上国を中心に、現状とニーズに関するデータを集めている。これは遠く離れた熱帯林に固有の伝染病を研究することから遺伝子研究の進歩を監視することにまで及ぶ。WHOの熱帯病研究計画は、もっとも広く利用される薬品に対するマラリア寄生虫の抵抗力について研究し、また熱帯性感染症の新しい治療薬や診断法の開発を進める。そうした研究は、国家および国際の感染症監視体制を改善したり、新しい病気の予防戦略を開発したりすることにも役立っている。
WHOは生物学的物質と薬学的物質について国際基準を設定する。WHOは、プライマリー・ヘルスケアの基本要因として「必須医薬品」の概念を発展させてきた。WHOは、各国と協力して、安全かつ効果の高い薬品をできる限りの最低価格で提供し、かつそれがもっとも効果的な方法で利用されるように努める。そのため、WHOはすべての健康問題の80パーセント以上の予防もしくは治療のために不可欠だと考えられるおよそ数百種の薬品とワクチンを載せた「モデル・リスト」を作成した。リストは2年ごとに改定される。WHOはまた、加盟国、市民社会、製薬産業と協力して、貧しい国や中所得国の優先的な健康問題の解決に必要な新しい必須医薬品を開発するとともに、既存の必須医薬品の生産を続けさせている。
国連に与えられた国際的なアクセスを通して、WHOは感染症に関する情報のグローバルな収集を監視し、健康および病気の比較統計を編纂し、安全な食糧や生物学的製剤や医薬品の国際基準を設定する。また、ガンを作り出すリスクのある汚染物質を明らかにし、普遍的に受け入れられるHIV/エイズの予防や治療に関するガイダンスを作成した。
質の高い教育をみんなに
すべての人に包摂的かつ公正の質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。進歩がみられるものの、2015年までに普遍的な初等教育を実現するとのMDGを達成することができなかった。2013年、5,900万の子どもたちは小学校の学齢期であるにもかかわらず、未就学であった。これらの子どもたちのうち、5人に1人は中退者であった。最近の傾向では、未就学児童の5人に2人は教室に足を踏み入れることがないことを示している。2013年にはまた、15歳以上の成人で読み書きができない人は7億5700万人にものぼった。そのうちの3分の2は女性であった。普遍的な小中等教育の約束を果たすには、新しい小学校教師が必要で、推定によると2030年までに2,600万人近くの教師が必要となる。この件に関してはアフリカが最大の挑戦に直面している。10カ国のうち7カ国近くでは訓練を受けた小学校学校教師が不足しており、深刻な問題となっている。
調査によると、教育へのアクセスと改善された社会指数との間に密接な関係があることが分かる。学校教育はとくに女性に対して特別の相乗効果を持っている。たとえば、教育を受けた女性は典型的により健康であり、子どもの数が少なく、家計収入を増やす機会を多く持つ。そうした女性の子どもは死亡率が低く、栄養状態も良く、おおむね他と比べて健康である。少女や女性が国連全体で多くの教育計画の対象となっているのは、こうした理由からである。
SDG 4は、基礎的な、高次技能の取得、技術・職業訓練と高等教育への公平なアクセス、生涯の訓練、十分に役割を果たし、かつ社会へ貢献するために必要な知識、技能、価値観に焦点を当てている。教育にはさまざまな要素が絡み合っていることから、国連システムの多くの機関は多種多様な教育・訓練計画の資金援助や開発を行っている。
教育の領域での先導機関は国連教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization: ユネスコ)(www.unesco.org)である。ユネスコは他のパートナー機関と共に、すべての子どもが子どもにやさしく、良質の教育を行うように訓練された教師のいる学校で学ぶことができるようにすることを目指している。ユネスコの教育部門は、あらゆるレベルで、すべての人に教育を提供すること、特別のニーズを持つ人々と社会の主流から取り残された人々の成功、教師の養成、労働人口の能力の育成、教育による成功、非公式生涯教育の機会確保、教育および学習を向上させる技術の利用、教育の機会の拡大に焦点を当てている。ユネスコは教育のあらゆる側面を取り上げる任務をもつ唯一の国連機関である。ユネスコは、2015年5月に開かれたを世界教育フォーラムで採択されたインチョン宣言を通して、そのパートナー機関とともにグローバルな「教育2030」アジェンダを先導かつ調整する任務を与えられている。SDG 4の10の目標を達成するための行程表は「教育2030行動枠組み(FFA)」で2015年11月に採択された。いかにしてコミットメントを行動に変えるかについてのガイダンスを政府やパートナー機関に提供している。
第4のSDG「質の高い教育をみんなに」を宣言したことに加え、国連は教育の分野で数多くのイニシアチブを進めてきた。毎年、何百回という模擬国連がさまざまな教育レベルで、様々な形で開かれる。模擬国連世界大会(Global Model United Nations Conference)(www.un.org/mun)もその一つである。こうしたプログラムを通して、学生は外交官として行動し、国連総会や他の国連システム機関模擬会期に参加する。
国連アカデミック・インパクト(United Nations Academic Impact:UNAI)(https://academicimpact.un.org/)は、高等教育機関と国連とが連携して知的な社会的責任という共通の文化の中で活動や研究を行うためのイニシアチブである。UNAIメンバーは国連憲章固有の原則を実践することを誓う。すなわち探究、意見、言論の自由を含む人権;ジェンダー、人種、宗教もしくは民族に関係なくすべての人々の教育の機会;高等教育の追求のために必要な技能と知識を得るための機会、高等教育における能力の強化;平和と紛争解決の向上;貧困問題の取り組み;持続可能性の促進;異文化間対話と理解の促進である。2010年の発足以来、UNAIはおよそ120カ国の1,200以上の機関で構成されるまでに成長した。
ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。世界はMDGs(女児・男児間の初等教育への平等なアクセスを含む)のもとにジェンダーの平等と女性のエンパワーメントに向かって進歩を遂げたものの、女性と女児は世界のいたる所で依然として差別と暴力の対象となっている。法的枠組みを通して女性の権利を行使することは、女性に対する差別を是正するための第一歩である。2014年現在、134カ国がその憲法で男女間の平等を保証し、52カ国がいまだこの重要なコミットメントを行わずにいる。全世界的には、女性の議会に占める割合は2016年に23パーセント増加し、この10年で6パーセントの上昇である。
20歳から23歳の女性で18歳になる前に結婚したと報告する女性の割合は1990年頃の32パーセントから2015年頃の26パーセントに下がった。女性器切除の慣行が集中している30カ国では、15歳から19歳までの少女の3分の1がこの処置の対象となった。あらゆる地域において女性と女児は介護から料理、洗濯まで無償労働の大半を行っている。毎日平均して自分の時間の19パーセントを無償活動のために費やしていると女性は報告している。男性の場合は8パーセントである。
SDG 5は、有害な慣行も含め、女性と女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃することを目指し、また性と生殖に関する健康とその権利を持つものであることを確実にし、生と生殖に関する資源に十分にアクセスでき、男性と同じように政治、経済、公職に参加できるようすることを目的としている。
男女間の平等を促進することと女性のエンパワーメントは、国連活動の中核をなすものである。ジェンダーの平等の達成とすべての女性と女児のエンパワーメントは、すべてのSDGs を達成するために不可欠の手段であると認められている。質の高い教育への平等なアクセス、それに雇用、リーダーシップ、あらゆるレベルでの政策決定の平等な機会は、女性と女児の地位向上にとって主要な要因である。国連は女性の人権を積極的に促進し、武力紛争時や人身売買を通してなども含め、女性に対する暴力を根絶するために活動する。国連はまたジェンダーの平等や女性及び女児のエンパワーメントのためのグローバルな規範や基準を採択し、開発援助活動を通してなど、国家レベルでの実施やフォローアップを支援する。
メキシコ・シティ(1975年)、コペンハーゲン(1980年)、ナイロビ(1985年)、北京(1995年)で開かれた国際会議は、世界各国でのジェンダーの平等と女性のエンパワーメントに関するコミットメントを強め、行動に活力を与えた。後者の第4回世界女性会議(1995年)では、189カ国の政府代表は「北京宣言」と「行動綱領」を採択した。これは、公的、私的生活のあらゆる領域で差別と不平等をなくし、女性のエンパワーメントを確保する目的のものであった。2015年、北京+20再検討会合(https://beijing20.unwomen.org/en) は達成された進歩を歓迎したものの、進歩は遅く、一様ではなく、依然格差や障害が残っていることに懸念を表明した。
「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women)」(www.unwomen.org)は、女性と女児に対する差別を撤廃し、女性のエンパワーメントを実現し、かつ、開発、人権、人道活動、平和と安全のパートナーとして、かつ恩恵を受ける者としての男女間の平等を達成するために働く。また、女性の地位委員会のような政府間機関が政策、グローバルな標準や規範を作成するのを支援し、また、加盟国がこれらの標準を実施するのを支援する。そのため、要請があれば適切な技術的、財政的支援を行い、市民社会と効果的なパートナーシップを構築する。さらに、ジェンダー平等の達成に責任ある国連システムを維持し、国連全体が行う進歩を定期的に監視する。
女性の地位委員会(Commission on the Status of Women)(www.unwomen.org/en/csw)は、経済社会理事会(ECOSOC)のもとにあり、1995年行動綱領の実施状況を検討し、2030アジェンダのフォローアップに貢献する。女性の権利を促進し、あらゆる分野における差別と不平等を是正するために今後とるべき行動について勧告する。過去60年以上にわたるこの45カ国委員会の主な活動は、4回にわたって女性に関する会議を準備し、フォローアップを行い、また、女性の権利に関する条約「1979年女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women)」とその1999年選択的議定書(Optional Protocol)の成立に向けて支援したことである。委員会の2015年会期は1995年以降の進歩とポスト2015開発アジェンダについて再検討を行った。
女子差別撤廃委員会(Committee on the Elimination of Discrimination against Women: CEDAW)(www.ohchr.org/en/hrbodies/cedaw)は1979年条約の順守状況を監視し、その選択議定書が付託する任務を行う。23人の専門家で構成される委員会で、締約国が提出する報告に基づいて、条約の実施に関して、締約国と建設的な対話を行う。その勧告は、女性の権利とこれらの権利を享受させる手段についての理解を深めることや、女性に対する差別の撤廃に貢献してきた。
事務局のほかにも、国連家族のすべての機関はその政策やプログラムで女性やジェンダーに関する問題を取りあげている。また女性のエンパワーメントはSDGs の中心課題である。
出典: 国際連合広報センター